こんな疑問に答えていきます。
こんにちは、たつやです。
シドニーにある大学院を卒業後、現地就職して15年になります。
オーストラリアにも就職率の高い学部や低い学部があり、学部を選ぶ時は、卒業後の就職率や給料なども考えるのが良いです。
今回は、そんな僕の経験も踏まえて、オーストラリアの大学(院)卒業後の就職率と給料について解説していきます。
この記事がオーストラリア留学を考えている人の参考になれば幸いです。
オーストラリアの大学や大学院の就職率や給料について
Graduate Outcomes Survey(2021年GOS)によると、
オーストラリアの大学卒業後4ヶ月以内に正社員(フルタイム)の仕事に就ける就職率は下記のようになっています。
留学生の場合
大学卒業 ⇒ 43.0%(留学生)
大学院卒業 ⇒ 43.9%(留学生)
全体の就職率(契約社員も含む) ⇒ 64.6%(留学生)
そして、ローカル学生の場合
大学卒業 ⇒ 68.9%(ローカル学生)
大学院卒業 ⇒ 84.9%(ローカル学生)
全体の就職率(契約社員も含む) ⇒ 84.8% (ローカル学生)
とかなり低くなっております。。留学生は頑張ろう!
2021年はコロナの影響もあり、多くの留学生は帰国したり、オーストラリア経済も低迷、そのこともあり就職率はかなり下回りました。
あとこれはすべての学部の就職率なので、、就職が難しい学部(人文学部など)も入っおります。
ただ、コロナ禍でも専門分野の就職率(正社員)は高いです。
薬学系(Pharmacy)95.0%
リハビリ(Rehabilitation)94.4%
医薬系(Medicine)90.2%
逆に、正社員への就職に苦戦した学部は
芸術系(Creative arts)49.2%
観光やホスピタリティ系(Tourism, hospitality)58.7%
コミュニケーション系(Communications)55.2%
ロックダウン、コロナの影響を受けた業界でやはり就職率は低いです。
その他に気になる職種だと
エンジニア 80.3%
ビジネスマネジメント 72.8%
看護師系 74.2%
IT系 67.9%
ちなみに薬学系(Pharmacy)が就職率95.0%と高いので、実際にコースの時間と費用を調べてみました。
例えば、
Bachelor of Medical Scienceを専攻、3年間コースで費用が$96,000です。
ちなみに他の学部の大まかな費用は下記です。
プログラマー(3年間)$101,520、就職率67.9%
ソーシャルワーカー(4年間)$104,960、就職率70.7%
正看護師(3年間)$106,500、就職率74.2%
会計(3年間)$84,240、就職率72.8%
参考リンク:
薬学系は他の学部と比べても、それほど学費は高くないので、
就職率だけを見るとコスパ的には良いかもですね。
上記からも分かるように、専門的な学位を勉強した方が、一般的な文系(Creative arts)の学位を勉強するよりも正社員への就職率が高いです。
だから将来の就職のことを考えると、専門的な学位を専攻した方がいいです。
もちろん自分の学びたいことを専攻するのもいいですが、
外国人が海外就職を考えると専門性で戦っていくのが将来的には良いです。
補足:
ここで補足ですが。2022年10月現在はコロナによる経済の影響もほぼなくなり、経済も伸びており、人手不足のニュースが毎日のように入ってきます。
ということで、2022年以降の就職率は上がっていくと考えられますので、心配はしなくてもいいです。留学、ワーホリ、今がチャンスです。。\(^_^)/
オーストラリアの大学別の就職率
日本人なら気になるところ、大学別の就職率は下記です。
Source(s): QILT (Quality indicators for learning and teaching)
2021年就職率の高い大学は下記です。
Charles Sturt University(NSW)84.6%
Central Queensland University(QLD)83.4%
University of New England(NSW)80.9%
逆に就職率が低い大学は下記です。
The University of Western Australia(NSW)57.2%
Griffith University University(QLD)59.2%
The University of Melbourne(VIC)55.7%
大学のある場所やローカルの労働市場によって、就職率は変わりますね。
意外だったのは、有名なメルボルン大学の就職率が低かったことです。
オーストラリアの学位別の平均初任給
オーストラリアの大卒の平均初任給は$65,000、大学院卒は$89,700(2021年)となっています。
学位別に見ると下記です。
初任給の高い職種(2021年)
Dentistry(歯科)$100,000
Medicine(医薬)$76,000
Teacher education(教育)$72,000
となっていて、やはり専門性があるものが多いです。
逆に初任給の低い職種は
Pharmacy(薬学)$50,000
Tourism, hospitality(観光やホスピタリティ)$54,900
Creative arts(芸術)$53,000
意外だったのはPharmacyの給料が低いことです。
就職率は95.0%と就職しやすい職種だけど、給料はそこまで良くないです。
専門的な学位を勉強したほうが(Pharmacyの平均初任給は低いけど)
就職率は高くなり、平均初任給は良くなるので、専門性を勉強するのが大切ですね。
Source(s): QILT (Quality indicators for learning and teaching)
オーストラリアの就職では大学名より仕事経験が大事
卒業して労働市場に出ると誰も大学名なんて気にしないからです。
日本だと大学名は卒業してからでも大切で、同じ大学の出身や有名大学出身など仕事経験の有無にかかわらず有利になりますが、
オーストラリアでは会社名や業界、どんな仕事経験があるかが大事です。
だから基本的には同じ業界で経験を積んでいくことが、キャリアアップの近道です。
異なる業界でキャリアを積んでもいいですが、専門性だけでなく業界に精通している経験を持っている方が転職では有利です。
日本で大学を選ぶように、オーストラリアでも大学のネームバリューにこだわって大学を選ぶかもしれないですが、
最終的には専門性や仕事経験そして会社名のほうが大事なので、そこまで大学名にこだわる必要もないです。
例えばThe Group of Eightなどオーストラリアで8つの有名大学がありますが、これらの就職率は多少は良いかもですが、他の上記の大学でも同じか、いい就職率を持っています。
確かにインターンやGraduate Programを狙っているなら、The Group of Eightの大学は有利になりますが、就職率でいえばあまり大差はないです。
僕はCQUniversity(Central Queensland University)を卒業したのですが、大学のネームバリュー的には有名ではないです。
ですが、有名大学出身でなくても転職することが出来たし、面接でも大学名とかは聞かれなかったです。
それでも現在は優良企業で働くことが出来ています。
職場でも出身大学の話とかはほとんどないです。僕は過去に現地企業3社で働いてきたけど、誰も出身大学の話はしなかったです。
それよりは過去の会社でどんな仕事経験があるのか、会社名などを聞いたりします。
就職や転職する際に、オーストラリアでは大学名はそれほど関係ないので、
大学名よりはインターンやバイトで仕事経験を得ることを意識した方がいいです。その方が断然、就活する際には有利になります。
まとめ
オーストラリアの学部別や大学別の就職率、そして大学別の初任給(2019年)について書きました。
やはり専門的な学位を勉強して、そこから就職に繋げるのがいいですね。
現地就職では大学名よりもインターンやバイトを通しての経験を採用基準にするので、その辺も意識することが大切です。
今回参考にしたQILT (Quality indicators for learning and teaching)は他にも興味深い多くの情報が載っているので、調べてみるのも良いかと思います。
色々と書きましたが、今回はこの辺で最後にします。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。