こんにちは、たつやです。

 

野党のコアリションが、卒業ビザ(Temporary Graduate Visa)をほぼ廃止する案を発表しました。

 

僕自身、留学後に卒業ビザで働き始めた一人なので、他人事ではありません。

 

この記事では、これから留学や就職、移住を考えている方に向けて、就労ビザで入る道を中心に整理します。

 

この記事のポイント

 

卒業ビザの廃止は、決まった話ではなく、野党の公約案
案が実現しても、経験を持って就労ビザで入る道は、優先される側
本当のハードルは、ビザの要件より、スポンサーしてもらえるかどうか

 

動画でも話しているので、読むのが面倒な方は、こちらからどうぞ。

卒業ビザ廃止案とは(まだ決まっていません)

最初に大事な点です。これは、コアリションが政権を取った場合の計画で、現行のルールではありません。次の連邦選挙は2028年です。

 

案の主な内容は次のとおりです。

 

  • 卒業ビザを、ほとんどの卒業生について廃止する
  • 博士課程、保健・教育分野、地方大学の卒業生は、例外として残す
  • すでに卒業ビザを持っている人には、経過措置を設ける
  • 卒業後に働きたい人は、一度出国して、海外から技能ビザを申請する
  • 新規の留学生の受け入れを、現在の計画値から約24万人に減らす

 

案を発表したテイラー党首は、「卒業した人は、一度帰国して、臨時の技能ビザで戻ることはできる。ただし自動ではなく、要件を満たす必要がある」という趣旨の説明をしています。

 

一方、現行ルールとして、すでに変わっていることもあります。10月初めから、ほとんどの留学生は、家族を連れてくることができなくなりました。留学を考えている方は、この点も確認してください。

就労ビザで入る3つのルート

ルート 向いている人 卒業ビザ廃止案の影響
① 現地で学ぶ→卒業ビザ→新卒・グラジュエートプログラム 経験が少ない学生・新卒 大きい。 国内でそのまま働き始める形が難しくなる
② 経験を積んでから就労ビザで入る 実務経験がある人 小さい。 案では、臨時スキルビザを増やす方向
③ ワーホリから就労ビザを狙う 若い人 制度は別。ワーホリの延長に、抽選制がある

この記事では、②を中心にお話しします。

就労ビザ(Skills in Demand 482)の基本

就労ビザの中心は、Skills in Demandビザ(サブクラス482)です。基本の要件は次のとおりです。

 

  • スポンサーになる会社があること
  • 職業が、対象リスト(Core Skills Occupation List)に入っていること
  • 過去5年以内に、1年以上のフルタイム相当の実務経験
  • 英語力は、IELTS 5.0相当
  • 給与は、コア・スキル枠で約8万豪ドル以上、高収入の枠で約14.7万豪ドル以上

 

数字だけを見ると、ハードルは意外と高くない、と感じるかもしれません。

 

※給与の基準は、毎年見直されます。2026年10月時点の数字なので、必ず豪州内務省の公式ページで最新の金額を確認してください。技能評価が必要かどうかも、職業によって違います。

実例:南アフリカ出身の元同僚2人

僕の元同僚に、南アフリカ出身の方が2人います。

 

1人目は、母国で大手会計事務所のマネージャーを務め、その後、事業会社でFinanceの責任者を長く経験したあとで、

 

シドニーの大手会計事務所 (Big4) にシニアマネージャーとして入りました。数年後に転職して、今は一般企業のFinance責任者です。

 

2人目は、南アフリカの大手会計事務所でキャリアを始め、複数の国で働き、MBAも取ってから、シドニーに来た人です。

 

シニアマネージャーとして入って、約1年後に、シドニーにある別の大手会計事務所に移っています。

 

2人に共通しているのは、

 

  • 母国の大手会計事務所で、キャリアを始めている
  • 10年以上の経験を持ってから、オーストラリアに入っている
  • 入ったあとに転職して、キャリアを動かしている

 

という点です。僕が身近で見た2人の話です。

日本人の場合の、本当のハードル

ビザの要件そのものより、難しいのは、「スポンサーしてでも雇いたい」と思ってもらうことです。

 

IELTS 5.0を取れる英語力と、面接で仕事の話ができるビジネス英語力は、別物です。だから、次のような準備が現実的です。

 

  • 日本で専門スキルと実務経験を積む。 経験の年数が長いほど、企業は判断しやすくなります。
  • 英語を、仕事で使えるレベルまで上げる。
  • 日本のBig4や外資系企業に勤めている方なら、国際ネットワークの中での出向や異動も選択肢になります。制度や条件の確認は必要ですが、同じ業界で経験を積んでから動く、というのは一つの形です。

 

経験がまだ少ない人は

経験が少ない方にも、道がないわけではありません。

 

> 新卒・グラジュエートプログラム:大手企業や会計事務所は、毎年、新卒向けのプログラムを実施しています。ただし、応募時に就労権(ワークライツ)を求める企業が多い傾向があるので、各社の募集要項で確認してください。

 

>> 僕の記事「シドニーのBig4に新卒で採用!」も参考にどうぞ。

 

> 例外として残りそうな分野で学ぶ:コアリションの案でも、博士課程、保健・教育、地方大学の卒業生には、卒業後のビザが残るとされています。

 

> ワーホリから入る:若い方は、ワーホリで入国して、現地で仕事を見つけ、スポンサーを得る道もあります。ワーホリは、労働党の制度で、2年目・3年目の延長に抽選制(2年目4.5万人、3年目5千人)が導入されています。

まとめ

  • 卒業ビザの廃止は、決まった話ではなく、野党の案です。
  • 案が実現すると、「経験ゼロで入ってから考える」道は、細くなる可能性があります。
  • その分、経験を持って、就労ビザで入る道の重みが増します。
  • 準備としては、日本で専門スキルを積み、英語を仕事で使えるレベルにすることです。

内容は、2026年10月時点の報道と公式情報に基づいています。ビザの条件や政策は変わる可能性があるので、最新の情報は、豪州内務省の公式サイトや、登録移民エージェントで確認してください。

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最終更新:2026年10月